これまでの成功モデルとともに
データの力でポテンシャルのある立地を効率的に探したい。
背景
プレミアム・アウトレット(以下、PO)が日本に進出して15年以上が経過しました。
この間、当社独自の立地選定基準により、静岡県の御殿場POや兵庫県の神戸三田POなど9つの施設を開業しました。
きめ細やかな立地選定は当社の成功モデルと自負しますが、時間の経過とともにポテンシャルの高い立地を見つけ出すのが難しくなってきたのも事実です。
そこで、日本全国を同一のロジックで網羅的に評価することで、潜在的な候補地を効率的に探索することに取り組みたいと考えました。
"機械学習モデル×空間モデル"のハイブリッドモデルで
全国のインターチェンジを網羅的に評価
提供ソリューション
既存施設の売上と立地の関係性を機械学習によりモデル化し、日本全国1,700箇所超のインターチェンジを立地候補地として売上ポテンシャルを推計しました。
また、既存施設の売上への影響も空間モデルを利用して推計し、新施設の立地可能エリアを洗い出しました。
互いに弱点を補う2つのモデルをハイブリッドで利用することで、立地選定のサポートとなり得る評価モデルとなりました。
ディスカッションを通じて実践的なモデルが構築でき、
勘や経験からは導き出せない意外な結果も見つかった。
お客様の声
売上推計モデルの構築は何度か経験してきましたが、ややもすると現実感がないモデルとなってしまいます。そんな中で、今回は実践的なモデルができたというのが率直な感想です。
売上推計モデルのベースに機械学習を利用したことが大きな要因となっていると思います。これまでのような恣意的に関係性を定義していくアプローチでは過度に理想的な推計がなされるモデルになりがちですが、今回の推計結果ではそういった傾向が見られませんでした。
もう一つの空間的相互作用モデル(ハフモデル)については私も長年研究してきましたが、これを売上推計そのものでなく、既存店への影響の推計に利用するというアプローチも正しかったと思います。
くわえて、今回のプロジェクトでは二社間でディスカッションを重ねながらモデルを構築しました。お互いの得意分野を組み合わせることは精度の高いモデル構築につながったと思いますし、そのプロセスからモデルに納得感を得ることもできました。
また、モデルを評価するために様々なテストを実施してもらいましたが、予想以上に当てはまりが良く、モデルの精度に確信を持つことができました。
作成したモデルを使って全国のインターチェンジの売上ポテンシャルを推計した結果を見ると、勘や経験からは導き出せない意外な結果も見つかりました。
もちろん、この結果だけですべてを評価することは出来ませんが、日本国内でもまだまだプレミアム・アウトレットの開発余地はある、と言うことが分かったのは非常に明るい材料になると感じています。