営業やリーシングを効果的に行うために
小田急線各駅の商業ポテンシャルを把握したい。
背景
小田急線には70の駅があり、駅周辺の商業賃貸区画は約1000区画に及びます。
それぞれの区画にどのようなテナントを誘致すれば良いのか、また相手企業にどのように納得して出店していただくかは、リーシング担当として常に頭を悩ませる問題です。
また、駅の商業ポテンシャルを表す指標としては従来から駅乗降客数を主に利用してきましたが、それだけではどうにも説明ができないことが多くあります。
そこで、それぞれの駅にどれくらいの商業ポテンシャルがあるのかを様々なデータを用いて客観的に把握することが出来れば、営業やリーシングに活かせるのではないかと考えました。
綿密なデータ収集と精緻な売上予測モデルの構築
売上予測の算出による"絶対評価"と他社路線駅に対する"相対評価"を同時に実現
提供ソリューション
駅乗降客数をはじめとする商業ポテンシャルの変動要因となりうるデータ(競合店や地域指標など)を幅広く収集し、試行錯誤を繰り返しながら精度の高い売上予測モデルを構築しました。
本プロジェクトでは、売上予測モデルは坪効率を算出するモデルとし、21の商業カテゴリごとに作成しました。
また、それぞれの駅の算出結果に、他社路線を含めた1都3県の全ての駅を母数としたランキングを付与することで、小田急線各駅の位置づけを相対的に評価しました。
さらに、それらの収集データや算出データを、営業やリーシングの際に直接ご活用いただくために、駅ごとに商圏評価シートとポテンシャル評価シートを作成しご提供しました。
沿線価値の向上という私たちのミッションを達成するために
今回のプロジェクトは大きな手助けになると感じています。
お客様の声
沿線居住者や駅利用者に対するアンケートではどうしても知名度の高い人気店舗に回答が集中しますが、それが実際のニーズと直結しているのか疑問に思うことが多くありました。
今回のプロジェクトで、「商業カテゴリごとの坪効率」という客観的な数値が見えるようになったことで、リーシングの方向性を定めやすくなったことは大きな成果だと思います。
また、プロジェクトを通じて、従来より重視してきた駅乗降客数以外にも、商業にとって重要な要因を改めて発見することができました。
そして、他社路線駅を含めた相対評価を通じて、小田急線とはどのような路線なのかについて、より深く理解することができるようになったと感じています。
最終成果物の商圏評価シートやポテンシャル評価シートの内容については、色々とお願いをさせてもらいましたが、最終的にとても使いやすいものになりました。
印刷物をファイリングしたり、タブレットにデータを入れたりして、実際に営業に活用させてもらっています。
最後に私たちのミッションとの関係についてですが、鉄道沿線の商業において最適なテナントを誘致することは、鉄道事業者とテナント企業のみならず、沿線居住者や駅利用者の活性化に結びつき、結果的に沿線価値の向上につながります。さらに、ユーザーの消費ニーズや沿線価値の向上は、当社の収入増だけではなく、さらなるエリアの活性化と集客増につながり、テナント企業の利益に結びつくという好循環が生み出されます。
このようなミッションを実現していくためには、現状のミスマッチやギャップの問題を解消していかなければなりません。
今回のプロジェクトは、これからこのような問題を解消していく大きな手助けになるのではないかと感じています。