2015.11.04

チラシ配布予算は25%削減できる


大型商業施設にとって折り込みチラシは、いくらネットが発達したといっても現在もなお強力なメディアです。しかし、だらからといってルーチンワークとして毎年決まった予算消化のためのチラシ配布をしているのでしたら再検討してみることをおススメします。特定のエリア戦略を持たずにチラシを配布しているのであれば、およそ25%は削減することが可能な場合があります。きょはわたしたちが調査した複数の商業施設で似たような傾向が観測されたので一般論としてお話しようと思います。

チラシ配布エリアを4つのグループの分けると予算と効果をコントロールしやすくなる

現在チラシを配布しているエリアを来館者の利用パターンから分類してみましょう。おおよそ次の4種類に分類することができます(郊外立地で200-300前後のテナントが入っている施設の例)。

  1. 足元商圏(スーパー食物販を利用する週数回来館するする人たちが多くすむエリア)
  2. 週末ユーザ商圏(週末を中心にファッション・飲食・アミューズメントなどを利用する人たちが多いエリア)
  3. バーゲンイベント来館者商圏(3-6カ月に1回、バーゲンやイベントがあると来館するひとが多いエリア)
  4. 競合商圏(競合施設と使い分けて利用している人が多いエリア)

これら4タイプの商圏はほとんどが距離で説明することができます。距離は来館頻度を説明するための重要な要素です。

足元商圏の来館者はチラシがなくとも来館する。館内告知のターゲット層

郊外型商業施設を例にしてみれば、スーパーマーケットが核テナントとして入っていて普段そこを利用している人たちが多く住む商圏はチラシをまかなくとも、日常に組み込まれた行動として来館します。

習慣化した行動をしていますから季節のイベントや毎週決まったポイント倍増の日などは館内告知で伝えることができます。ポイントカードユーザの比率が多いエリアでもあります。

週末ユーザ商圏はチラシが最も効果を発揮するがコンテンツが大切Webやメールが有効

月に数回週末に利用するユーザが多い地域は、告知効果という意味でチラシの役割が重視されます。ただし、チラシのコンテンツには工夫が必要。このユーザは1回の来館で比較的長く滞在し、自分たちの目的の店を買い回ります。

興味のないもの、自分たちに関係ないテナントはスルーします。このグループに刺さるチラシを作るには彼ら・彼女らがどのようなテナントを併せて利用しているのか、広告をつくるクリエイターは理解しておく必要があります。

niko and…とよく利用されるテナントは何かといったことです。目的があって買物する人たちが多いグループですからオウンドメディア(ホームページ, メール, アプリ, FaceBook)が媒体としては最適です。

バーゲンイベント来館者商圏はバーゲンとイベントのときだけチラシを

もし積極的にチラシ予算を見直したい場合は、このグループの多くすむエリアでのチラシ配布回数を減らすことです。

一般的にチラシコストを見直す際にまずこのタイプの来館者の多いエリアからメスを入れるとよいでしょう。予算を削った分、他のエリアに重点を置くことも可能になります。このグループは施設からの距離でいえば最も遠いところに住んでいます。

競合商圏は明確な意思と戦略が大切

じつはこの競合商圏が一番厄介です。商業施設によってはほとんどすべてが競合している場合もあります。競合商圏で大切なのはタイミングです。

競合と正面から戦うのか、それとも戦いを避けて顧客を共有し合うのか検討する必要があります。一般的にいって競合商圏は顧客一人あたりの誘導コストが最も高くなる傾向があります。

販促戦略は商圏と顧客の理解がポイント

大型商業施設のチラシ戦略はまだまだ多くの工夫の余地が残されています。オムニチャネルなどメディアミックスの戦略を考える際にも商圏と顧客の行動の関係をよく理解しておくことが大切です。

ここでお話しした例は一般化したお話ですので具体的な施策に展開するためには、ポイントカード分析やWebアンケートを利用して調査・戦略立案を行う必要があります。

この記事の執筆者
酒井 嘉昭

酒井 嘉昭

代表取締役

技術士(環境部門)測量士 日本大学文理学部地理学科卒業 都市計画、防災・環境計画の土木計測のエンジニアとしてキャリアをスタート。 英国のデータ分析会社GMAPの上級アナリストから日本ジーマップ代表取締役に。分社化に伴い現職。居住者クラスター分類ジオデモの開発者。主要な著作