2015.11.11

世界都市に共通する異常値-一極集中東京と大阪の居住者クラスター-


2005年の高額納税者の実に30%近くが東京都の居住者です。東京一極集中の議論は「地方再生」議論ともにますます注目されています。いっぽうで住民投票で僅差で否決されたものの大阪都構想など大阪復活をかけた議論も盛んです。この二つの都市の居住者を比較してみるとかなり異なった都市であることにあらためて驚かされます。

「都市部富裕層」居住者が全国平均の6倍いる東京

Geodemoでみる東京都

Geodemoでみる東京都

図は東京都を居住者クラスターGeodemoで色分けしたものです。赤く塗られているところはGeodemo1「都市部富裕層地区」と分類されているエリアです。次の表を見てください。東京都の世帯を10の居住者クラスターGeodemoに分類してその構成比率を日本全国の構成比率と比較したものです。

東京都の居住者クラスター

東京都の居住者クラスター

東京都640万世帯のうち実に350万世帯がGeodemo1「都心部富裕層地区」に分類されています。このGeodemo1に分類されたエリアは日本全体で430万世帯、実に80%以上のGeodemo1「都心部富裕層地区」が東京に集中しています。

Geodemo1の特徴は、高学歴、高収入、シングル・カップルが多い、地価が高い、自由業、自営業者など給与所得以外の収入を得ているひとの比率が高いといった特徴があります。また、上場企業の社宅なども多くこのエリアに分布します。もっとも日本の権力と近い人たちが多く住んでいる地区といえましょう。

高齢化進展エリアが広がる大阪

Geodemoでみる大阪府

Geodemoでみる大阪府

大阪府には東京にみる巨大なGeodemo1「都市部富裕層地区」は見られません。かろうじて梅田駅周辺、難波駅周辺に分布するのみです。紫色に塗色されている箇所はGeodemo3「シングル・カップル地区」です。Geodemo1と家族構成では「子供が少ない」という共通点があります。大きな違いは「地価」になります。地価が高いとGeodemo1、安いとGeodemo3となります。

大阪のGeodemo

大阪のGeodemo

大阪府380万世帯のうち、全国平均より高い比率の居住者クラスターはGeodemo3(91万世帯24%)と4「ホワイトカラーファミリー」(103万世帯27%)、Geodemo5「ブルーカラーファミリー」(70万世帯18%)ですが、もうひとつ全国平均より比率の高いクラスターがGeodemo6「高齢化進展エリア」(31万世帯8%)です。

Geodemo6「高齢化進展地区」は全国平均4.8%ですが大阪府では8%と高齢化が進んでいます。「高齢化進展地区」の特徴として年金生活者が中心で極端に高齢者の人口密度が高いエリアです。公営アパートなど賃貸住宅も多く見られます。東京都ではこのクラスターは12万世帯1.9%と構成比率は低くなっています。

小売業では東京のブランドやビジネスは大阪ではうまくゆかないといわれる所以は、文化の違いもさることながら居住者タイプの相違も影響していると考えると合理的かもしれません。

この記事の執筆者
酒井 嘉昭

酒井 嘉昭

代表取締役

技術士(環境部門)測量士 日本大学文理学部地理学科卒業 都市計画、防災・環境計画の土木計測のエンジニアとしてキャリアをスタート。 英国のデータ分析会社GMAPの上級アナリストから日本ジーマップ代表取締役に。分社化に伴い現職。居住者クラスター分類ジオデモの開発者。主要な著作