2015.10.21

愛され続ける商業施設のデザインとは?


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日本国内の「小売販売額」は1997年の147兆円をピークにその後は減少、2007年には135兆円まで落ち込みました。ところが、売場面積は1972年からほぼ毎年7%の割合で増加しつづけています。

広がる需給ギャップ

経済産業省 商業統計(2007)

市場は小さくなっているにもかかわらず、売場面積は大きくなっています。商業施設を開発、運営する企業にとっては厳しい環境です。

私たちの消費支出は1994年の月額33万円をピークに減少しており2007年には30万円、最新の消費支出統計では2015年8月は29万円とさらに減っています。消費税増税による影響は明らかです。

消費税増税と可処分所得

総務省 家計消費調査より作成

小売売上が減っている、その原因は消費支出の減少、つまりサイフのひもが固くなったことによるものです。ついでに言えば消費支出の減少は「給与所得」の減少と連動しています。収入が減ったので支出も減らすというデフレ現象です。

サイフのひもが固くなると同時に、商品に関する情報量は爆発的に増えました。消費者はよりスマートになり、モノのなかった時代のビジネスモデルは通用しませ ん。ネットショップのAmazonで取り扱うアイテム数は250万点、グルーグルで検索対象となるWebページは2億5000万以上といわれており、その 数は日々増えています。

供給過剰な時代に選ばれる商業施設をデザインするには?

特にショッピングセンターや多店舗展開する店舗は、ネット販売と異なり「立地」の見立てがとても重要です。ネット販売には空間的な制約はありませんが、リアル店舗では売場面積、店舗までの距離が売上にあたえる影響を無視することはできません。

反対に、ネットの世界では空間的な制約がないかわりに、サイバー空間で世界中の競合としのぎを削らなくてはなりません。そのためほんのわずかな上位ブランドでないと生き残れないといった厳しさがあります。それに対して、リアルの店舗では自社商圏内では局地的な独占市場をつくるこも可能です。

大型商業施設は一度開発してしまうとおいそれと移転することはできません。持続可能な商業施設を実現するためには、自社の立地している市場について深い洞察と継続的な投資がどうしても必要となります。ここでいう「市場」理解とはすなわち「人間」の理解です。

だれが、どんな理由で、いつ、なにを利用しているのか?その人にどんなモノやサービスを提供することによって、より選ばれる商業施設となれるのか?どこに出 店するれば、より自社ブランド体験をターゲットとする人たちに届けることができるのか?地域に根差した持続可能な商業施設のデザインとは?もし、成長時代 の勘と経験が使えないならそれを補うためにどうしたらよいのか?

人間理解に地理的視点を!

地域のポテンシャルを引き出すマーケティングという意味をこめて「ジオ」(地理)マーケティングという社名にしました。
商業施設計画、運営、投資にかかわる人たちがよりクリエイティブな仕事ができるような情報を発信してゆきます。

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この記事の執筆者
酒井 嘉昭

酒井 嘉昭

代表取締役

技術士(環境部門)測量士 日本大学文理学部地理学科卒業 都市計画、防災・環境計画の土木計測のエンジニアとしてキャリアをスタート。 英国のデータ分析会社GMAPの上級アナリストから日本ジーマップ代表取締役に。分社化に伴い現職。居住者クラスター分類ジオデモの開発者。主要な著作