2016.01.05

社会階層とマーケティングセグメント


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ロンドン在住の社会派ジャーナリスト、ジェレミー・シーブルックによれば階級(Class)という言葉が登場するのが一八世紀のフランスの百科全書派の著作からで、それ以前の中世では身分制度によって貴族、聖職者、平民という三つの法的な区分が存在していたといっています。

この階級という考え方は、産業革命以降の一九世紀後半の工業化社会に出現した特徴的な集団を説明する方法として発達したといわれています。身分制度は、社会的な制度でしたが階級という考え方は、生産手段を所有するもの(ブルジョワジー)と労働力を提供するもの(プロレタリアート)といった関係に注目した呼び名です。この生産手段に注目した階級という概念にイギリスでは古い身分的な意味合いが込められて、上流階級、中間階級、労働者階級という現在でも一般的に用いられる呼び名となったと述べています。

階級から地位へ

第二次大戦以降、米国を中心に消費活動が拡大するにつれて、これまでの階級的発想から、どのようなものに対して消費し、所有するかといった消費の趣味、嗜好性やライフスタイルの共通性から人々に新たな帰属意識がうまれ、それが地位(Status)といわれるようになったと指摘しています。

地位という言葉には、上下の関係を社会的な価値判断を含めて用いられています。どのようなものを所有することができるか、消費することができるかといったことから、他者との違いを認識する点では価値判断が含まれています。

ジオデモグラフィックスはマーケティング用の区分方法

マーケティングで用いられる「セグメンテーション」は「消費行動」に注目し、共通の消費行動をするグループに分類する方法です。
男性、女性など性別と年齢階層に注目した分類は古典的なセグメンテーション手法です。そのほかにも様々な分類方法があります。
ジオデモグラフィックス(Geodemographics)など居住地域に注目した場合、駅に近いか遠いか、自動車所有率の違い、集合住宅の多い地域か戸建てが多いかといった住環境、生活環境の類似性が炙り出されます。集団としては1万人から10万人オーダーのマーケティング、特に商圏分析にはよく利用される区分方法です。

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この記事の執筆者
酒井 嘉昭

酒井 嘉昭

代表取締役

技術士(環境部門)測量士 日本大学文理学部地理学科卒業 都市計画、防災・環境計画の土木計測のエンジニアとしてキャリアをスタート。 英国のデータ分析会社GMAPの上級アナリストから日本ジーマップ代表取締役に。分社化に伴い現職。居住者クラスター分類ジオデモの開発者。主要な著作