2018.01.08

鉄道の集客競争が初詣を広めた!? 沿線開発と活性化の起源


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鉄道の集客競争が初詣を広めた!? 沿線開発と活性化の起源

今年は明治維新150周年の年です。「鉄道が変えた社寺参詣-初詣は鉄道とともに生まれ育った-」(平山昇著 交通新聞社新書)に、明治以前の俳句には季語として初詣がないことに疑問をもった著者が、今では伝統行事と一般に思われている「初詣」は、じつは明治以降の鉄道網の発展と鉄道会社の集客マーケティングの中で国民的行事になっていたことを当時の新聞、広告、神社の日誌など駆使して解き明かしています。

新橋~横浜間の日本最初の鉄道が川崎大師をメジャーに

鉄道網の発展で最初のご利益があったのが川崎大師で日本最初の鉄道が新橋~横浜に開通し、川崎停車場ができたことにより新橋から参拝者が訪れるようになったと「鉄道が変えた…」の著者は指摘しています。

鉄道網が郊外に発達する恩恵を顕著に受け、初詣のホットスポットとなったのは成田山だそうです。都心でも足立区の西新井大師は東武スカイツリーライン西新井駅から800mほどの引き込み線の東武大師線「大師前」に直結しています。

「鉄道が変えた…」の著者が指摘しているのが、鉄道が普及しはじめて10年ほどたった明治45年ごろには大みそかの鉄道のストライキで向島の七福神は参拝客が激減したことを例に、徒歩で参拝する習慣が急速に鉄道利用へとシフトしていったと述べています。そして、正月3日の休日が定着すると行楽としての初詣が盛んになり鉄道網の発達がさらに初詣の定着に寄与したと述べています。

魅力度アップのための沿線に桜を植え、日本最初の電気鉄道を敷設

特に川崎停車場と川崎大師の道が整えられ沿道に桜が植えられ、さらに日本最初の電気鉄道が開通し当時としては充実した郊外散策の環境が整えられます。景観と交通機関の整備による魅力度アップで川崎大師の初詣や行楽による参拝者はさらに盛んになります。

2018年現在の初詣ベスト5(ジョルダン調べ)はすべて駅から近い神社仏閣となっていることはいうまでもないでしょう。
1位 明治神宮   318万人
2位 成田山新勝寺 311万人
3位 川崎大師   308万人
4位 浅草寺    293万人
5位 伏見稲荷   250万人

ところで、アイキャッチ画像は千葉県佐原市の香取神宮の鳥居です。下総の国の一之宮ですが駅からのアクセスは残念ながらよくありません。風格のある一之宮ですが普段の日の参拝者は比較的少なく静かで落ち着いた神社です。駐車場は100台ほどしか収容できないため、初詣シーズンになると大渋滞で駐車場に入るまで一時間近く待つこともあります。また、周辺の民家や食堂では庭先を臨時の駐車場にして臨時収入を稼ぎます。15kmほど北東に位置する常陸の国一之宮の鹿嶋神宮は駅から近いので門前町も賑やかなのとは対照的です。

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この記事の執筆者
酒井 嘉昭

酒井 嘉昭

代表取締役

技術士(環境部門)測量士 日本大学文理学部地理学科卒業 都市計画、防災・環境計画の土木計測のエンジニアとしてキャリアをスタート。 英国のデータ分析会社GMAPの上級アナリストから日本ジーマップ代表取締役に。分社化に伴い現職。居住者クラスター分類ジオデモの開発者。主要な著作