2016.07.08

SCクラスター3000からみる人口減少商圏


5km商圏で人口減少率の高い商圏30

2005年と2010年の国勢調査を比較して1年間の平均人口減少率が大きかった30施設リストです。

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5km商圏人口減少率ワースト30の商業施設(クリックすると拡大できます)

5km圏の人口減少は足元の需要の減少ですから特に食品スーパーなど日常利用の食物販に影響します。

年率マイナス3.3%減兵庫県南あわじ市くつろぎプラザシーパ

全国約3200あるショッピングセンターで5km圏の人口減率が最も大きかったのが兵庫県南あわじ市の「くつろぎプラザシーパ」です。5km圏の人口16,661人(2010年)で2005年からの年減少率-3.3%と日本全国のSCのなかで減少率が最大でした。

独占商圏のくつろぎプラザシーパ

独占商圏のくつろぎプラザシーパ

くつろぎプラザシーパは南あわじ市の北部に位置し、1km圏の小売販売額は64億円/年(2007)。5km圏で140億円/年ですからくつろぎプラザは当該5km商圏の46%近い小売シェアのある地点となります。4861平米の売場面積、温浴施設とホームセンターコメリが隣接しています。周辺に同規模の競合施設はありませんのでほぼ独占市場です。当該施設の北東700mほどのところにあるスーパーマーケットマイマート西淡店は閉店しています。

くつろぎプラザシーパの周辺の居住者はその80%がGeodemo10「農林水産・過疎地区」に分類され、14%がGeodemo9「地方子育てファミリー地区」に分類されています。一世帯あたりの世帯規模を表す世帯人員は5km圏平均3.08人と上位30位にランクインされるほどの大家族が多い地区です。

年率マイナス2.7%兵庫県丹波市 コモーレ丹波の森

5㎞圏の世帯人口23,820世帯の兵庫県丹波市のコモーレ丹波の森が年率マイナス2.7%で2番目に減少率の高い商圏の商業施設としてピックアップされました。

コモーレ丹波の森 1km圏の人口は増えてる

コモーレ丹波の森 1km圏の人口は増えてる

ところが5km圏では人口は減少していますが1km圏では年率2.3%増えています。1km圏の居住者タイプは地図の色からおうどいろのGeodemo5「ブルーカラーファミリー」ときみどりいろのGeodemo7「郊外外延部子育てファミリー」だと判読できます。

Geodemo5もGeodemo7も子育てファミリーですから人口は増える傾向になります。その反対に3km圏を超えたところからちゃいろで表示されているGeodemo6「高齢化進展地区」とねずみいろのGeodemo8「アクティブシニア地区」が目立つようになります。

1km圏の小売り販売額は219億円、5km圏で378億円です。コモーレ丹波の森から700mほど離れたところに2倍近い規模のゆめタウン氷上(18000平米)があり、この二つの商業施設と周辺のロードサイド店(コーナン、しまむらなど)で219億円近い売上を上げていることになります。

コモーレ丹波1km圏で当該5km圏の58%の売上シェアを上げています。ここは、南あわじ市のくつろぎプラザシーパ1km圏の小売販売額シェア46%と比較しても商圏内売上シェアは高くかつ219億円と規模感もあります。

5km圏で比較するとどちらも人口減少地区で毎年100人以上の人口が減ってはいますが、商圏全体が減少してゆくタイプと、足元1km圏では増え、周辺部が減ってゆくタイプとの違いがあるなど子細に観察するとそれぞれの立地環境が違うことに気が付きます。

SCクラスター3000を使うと商圏のボリュームの変化と居住者の違いを直感的に把握することができ商業施設の改装、顧客開発のファーストステップの資料として活用することができます。

この記事の執筆者
酒井 嘉昭

酒井 嘉昭

代表取締役

技術士(環境部門)測量士 日本大学文理学部地理学科卒業 都市計画、防災・環境計画の土木計測のエンジニアとしてキャリアをスタート。 英国のデータ分析会社GMAPの上級アナリストから日本ジーマップ代表取締役に。分社化に伴い現職。居住者クラスター分類ジオデモの開発者。主要な著作