2015.12.02

金沢市と富山市の居住者クラスター コンパクトシティーを目指す富山市も居住者タイプは自動車が必需品の世帯が多い


北陸新幹線で注目される金沢市と富山市。日本全国の大字町丁目を統計的な手法でライフスタイル・ライフステージで分類した居住者クラスター(Geodemo)の10分類でみてみるとどんな特徴があるでしょうか。

金沢市のGeodemo

金沢市のGeodemo

金沢市のGeodemo構成比

金沢市のGeodemo構成比

地方都市の市街地に多く居住するGeodemo3に注目してみると…

以下金沢市の居住者クラスターの世帯数と構成比率です。

  • Geodemo3「シングル・カップル地区」           3万世帯(16%)
  • Geodemo4「ホワイトカラーファミリー地区」   3万世帯(16%)
  • Geodemo5「ブルーカラーファミリー地区」    2.8万世帯(15%)
  • Geodemo6「高齢化進展地区」                     9.6千世帯(5%)

が日本全体の平均的な構成比率に近い構成比率です。いっぽう、

  • Geodemo7「郊外外縁部子育てファミリー地区」 2.6千世帯(14%)
  • Geodemo8「アクティブな高齢者地区」            2.4万世帯(14%)
  • Geodemo9「地方子育てファミリー地区」         3.9万世帯(20%)

は日本の平均構成比率より高くなっています。地方都市ではGeodemo3は中心市街地付近に多く現れます。

金沢市と比較してGeodemo3の構成比率が少ない富山市

富山市は金沢市で構成比率の高かったGeodemo3「シングル・カップル」1.5万世帯(9%)とGeodemo4「ホワイトカラーファミリー」1.3万世帯(8%)が少なく、Geodemo9「地方子育てファミリー」3.7万世帯(23%)とGeodemo10「農林水産・過疎地区」1.9万世帯(12%)の構成比率が高くなっています。Geodemo9とGeodemo10の居住者タイプは自動車がなければ生活のできない環境に住んでいます。

自動車が生活必需品の居住者クラスターGeodemo9,10が多い富山市

Geodemo3は地方都市の市街地に多く出現するグループです。特徴は20-40代のシングル・カップルの多い地区という点です。学生街、独身寮の多い地域、夫婦のみの地区も含まれます。地方都市では「独身給与住宅」「官舎・社員・学生寮」などが多くなる傾向があります。

富山市のGeodemo

富山市のGeodemo

富山市のGeodemo構成比

富山市のGeodemo構成比

富山市と金沢市を比較すると金沢の市街地居住者Geodemo3が多いことから金沢市のほうが市街地がよく発達していることが理解できます。

コンパクトシティーを標榜する富山市ですが、居住者のタイプGeodemo9,10が多いということは、自動車がなくてはならない人たちをどうやって市街地に誘導するか、かなりハードルの高い課題に取り組んでいる様子が伺えます。

ところでGeodemo3「シングル・カップル」は市街地だけでなく山岳地帯にも現れることがあります(富山市の地図で南東側の紫色のエリア)。関西電力の工事関係者や独身寮、山小屋、自衛隊官舎など独身ばかりの施設もGeodemo3に含まれるためにみられる現象です。面積が大きく色が塗られていますが世帯数はごく小さい値となります。

この記事の執筆者
酒井 嘉昭

酒井 嘉昭

代表取締役

技術士(環境部門)測量士 日本大学文理学部地理学科卒業 都市計画、防災・環境計画の土木計測のエンジニアとしてキャリアをスタート。 英国のデータ分析会社GMAPの上級アナリストから日本ジーマップ代表取締役に。分社化に伴い現職。居住者クラスター分類ジオデモの開発者。主要な著作