2016.01.27

都心好調、郊外は集客苦戦-2014年開業主要商業施設の1年後-


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2015年12月15日の商業施設新聞一面の見出しです。「勝ち組はコレド、周辺を活性化」とサブタイトルがついています。それぞれの商業施設を「SCクラスター3000」で見てみるとどうでしょう。

COREDO室町(SCクラスター3000)より

COREDO室町(SCクラスター3000)より

「コレド室町」周辺1km圏の年間小売販売額は9,740億円(2007)。同じ基準で渋谷駅(約7,000億円)、池袋駅(約6,300億円)、大阪の梅田駅(約8,400億円)と比べても巨大です。

その巨大な小売中心地で「コレド室町1」は13年度の売上実績35億円から14年度47億円(商業施設新聞)と売上を伸ばしています。かなり個性的な食物販と飲食店を中心にしたテナントが入店しています。

「コレド室町」は3つの施設があり、「コレド室町1」が食物販、レストランと書店、「コレド室町2」がレストランを中心にTOHOシネマがあり日本橋で映画が楽しめるという新しい切り口です。同紙によると映画館ができたおかげで若年層を呼び寄せたたとあります。

18,000平米と決して大きな施設ではありませんが、巨大な小売中心地では街に訪れる人の足りない需要を刺激する施設作りが成功した事例といえるのかもしれません。

川崎市武蔵小杉の「ららテラス武蔵小杉」が好調

「一方、ららテラスは、グランツリーの開業後は客数の減少が懸念されたが、実際は駅からグランツリーに行く人を取り込めた。(中略)上質なファッション、食を揃えた同施設だが、初年度の売上実績は80億円となり、目標の60~70億円を大幅にクリアした。」(同紙)。

ららテラス武蔵小杉(SCクラスター3000)

ららテラス武蔵小杉(SCクラスター3000)

ららテラス武蔵小杉は売り場面積8,000平米の小規模な施設です。東急東横線の武蔵小杉の駅と直結した施設で隣接するグランツリー37,000平米のゲートウエーとなっています。

足元人口も2005年から2010年の間に年率2.4%で増加。全国約3000ある商業施設の中でも上位10%に入る人口増加の好立地です。周辺居住者は足元にGeodemo3「シングル・カップル」駅からやや離れたエリアにGeodemo2「市街地富裕層ファミリー」が居住しています。基本的に豊かな世帯が多い地域です。

2007年の商業統計では武蔵小杉駅周辺1km圏の小売販売額595億円、3km圏で3,300億円、5km圏では1兆1000億円規模で周辺には個性的な小売中心地が分布します。その代表が玉川高島屋のある二子玉川地区で2,100億円、自由が丘が1,200億円です。

2016年現在、武蔵小杉駅周辺の商業集積ははおそらく800億円から900億円規模になっているでしょう。ターミナル駅立地で高層マンションの人口集積のある立地ですが、二子玉川や自由が丘のようにキャラ立ちした小売中心地として発展するには、武蔵小杉周辺の施設同士が「競演」できるかが重要となるでしょう。競争しているのは中心地内部でなく自由が丘や二子玉川そして川崎です。

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この記事の執筆者
酒井 嘉昭

酒井 嘉昭

代表取締役

技術士(環境部門)測量士 日本大学文理学部地理学科卒業 都市計画、防災・環境計画の土木計測のエンジニアとしてキャリアをスタート。 英国のデータ分析会社GMAPの上級アナリストから日本ジーマップ代表取締役に。分社化に伴い現職。居住者クラスター分類ジオデモの開発者。主要な著作